吉田プロの生い立ち3

 「喜んでー」という掛け声を聞いたことがあるだろうか?
 プロスキーヤーを目指している学生当時の僕はアルバイトをしていた。
 無論、スキーというスポーツはお金がかかるし、特に選手として頑張っていた僕は用具の他に遠征費や大会出場費など年間に支払わなければいけないものが数多く存在したのだ。大学に進んでから親からの支援は一切受けたことがなく、全てを自分のアルバイト代から賄わなければいけない僕はこの時から“仕事”というものに対してとても真剣に向き合っていた。
 そんな僕のアルバイト先が【炭火焼肉酒家 牛角】という焼肉屋さん。札幌駅に隣接しているステラプレイスという商業施設の6階にあるこのお店で、人生初めてのお仕事がスタートするわけだ。
 普通スキーをメインにしたいのであれば、季節業という選択肢もあったかもしれない。でも当時の僕は何故だか年間忙しい業種を選択してしまった。今思い返せば当時の店長や諸先輩方には感謝の気持ちしかなく、そんな「スキーで頑張っていきたい」という僕をみんなが応援してくれて、明らかに出勤が減ってしまう冬もみんながサポートしてくれて、たまに顔を出しても温かく迎え入れてくれるまさに僕にとってのホームがこのお店だった。
 もちろん僕はわがままな行動をしてしまっているという自覚はあったが、その分出勤した時は誰よりも頑張った自信はあるし、そこのお店は仕事のできる人が多すぎるくらいとても優秀な集団だったので、色んな先輩の背中を見てたくさん吸収しようという気持ちで前向きに仕事に取り組むことができた。そのおかげもあり、牛角を卒業する頃には時給順に並んでいるシフトでもトップクラスに入ることもできたし、お店の仕入れや管理を任されるほどになっていた。
 【働くこと=スキーをする為】ではなく【働くこと=生きがい】と定義づけられたのはこの時の経験が非常に大きかったんだなと今思い返しても有り難く思っている。あの時のみんな元気かな。

続く‥

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